妊娠中や産後は体力や抵抗力が落ちてしまい、思いがけず病気になってしまうこともありますね。
とくにこのシーズン不安なのはインフルエンザ。
妊娠中や授乳中によく処方される抗インフルエンザ薬、イナビルについてまとめました。
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インフルエンザの薬のイナビルってどんな薬?
インフルエンザの流行の時期に産婦人科にかかると
「予防接種を受けてくださいね」
と言われますね。
「こういうワクチンや薬って妊娠中は大丈夫なの?」
と思う方も多いでしょう。
実はWHO(世界保健機構)では妊婦が優先的にワクチンを受けることをすすめています。
ワクチンや薬の副作用も気になるところではありますが、怖いのはインフルエンザの重症化のほうなのです。
特に妊娠28週以降の場合、重症化のリスクが高くなると言われていて、海外では重症化によって早産や死亡例が確認されています。
「怖いのはインフルエンザが悪化すること」
これを踏まえて、抗インフルエンザ薬、特にイナビルについて詳しく見ていきましょう。
★タミフルは★
一番広く用いられている抗インフルエンザ薬です。
飲み薬で、大人にはカプセルが処方されます。
1日2回、5日間服用します。
★イナビルとは★
抗インフルエンザ薬で、吸入薬です。
1度の吸入で治療が終了するため飲み忘れることがないなどのメリットがあります。
2010年に承認された新薬で、効果は5日間持続します。
タミフルと比べると血中に流れる薬の成分が少ないため、胎児への影響が少ないとされていて、妊婦さんにもよく処方されます。
★気になるイナビルの副作用は?★
イナビルの副作用は大まかに挙げると下痢や胃腸炎などの胃腸障害、蕁麻疹などがあります。
また、副作用ではないのですが、きちんと吸入しないと効果が得られないことがあります。
パウダータイプの吸入薬ですので喘息などを持っている方の中には発作が誘発されてしまうこともあります。
心当たりがある方は、お医者さんに相談しましょう。
★胎児への影響は?★
一般的な副作用についてはこんな感じですが、妊娠中のお母さんが特に心配なのは流産や先天異常についてだと思います。
現在、タミフル、イナビルともに妊娠中に服用した結果、流産や先天異常が発生したという例は報告されていません。
授乳中の赤ちゃんに対する影響に関しては、次の項でご紹介します。
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インフルエンザの薬のイナビルは授乳中でも使える?
★安全性が高い★
日本小児臨床薬理学会によると、イナビルを吸入した後、46時間ごとの母乳の薬物濃度を測ったときの薬物濃度は検出限界値未満だったそうです。
よって母乳を介して胎児に影響を及ぼすことはほとんどなく安全性が高いということが立証されました。
しかし、薬そのものは安全性が高いとしても、母乳をあげる時の赤ちゃんへの接触感染と飛沫感染には注意が必要です。
★母乳をあげるときの注意点★
インフルエンザにかかったお母さんが母乳を与えるときに注意すべき点は以下の通りです。
・直接母乳を与えても大丈夫だが、お母さんが与えられない状態の場合は搾母乳を別の健康な人に代わりに与えてもらう
・お母さんが与えられる状態なら直接母乳を与えて良いが、与える時はマスク、手洗い、清潔な服装を心掛ける
・哺乳瓶や乳首は普段通りの洗浄でOK
熱が下がっても体内にウイルスが残っています。
インフルエンザ発症7日以内は、飛沫感染と接触感染の対策を解かずに十分注意して母乳を与えましょう。
インフルエンザのイナビルの使用方法は?
★イナビルの使用方法★
イナビルは1回の使用で5日間効果が持続します。
お医者さんや薬剤師さんの指導のもとパウダータイプのものを薬局や病院で吸引します。
イナビルでも他の抗インフルエンザ薬でも重要なのは使用するタイミングで、抗インフルエンザ薬は発症後48時間以内に使用しないと、効果が薄れてしまいます。
出来るだけはやく受診して薬を処方してもらいましょう。
★産婦人科なのか、内科なのか★
妊婦さんがインフルエンザにかかった場合、かかりつけの産婦人科に行くべきか、
「他の妊婦さんや赤ちゃんにうつしたら大変だし…」
と考えて、内科に行くべきかで悩んでしまいますね。
日本産科婦人科学会では
「一般の病院を受診してもかまわないが、原則として、かかりつけの産婦人科医が対応すること」
としています。
しかし、実際は病院によって対応が違うこともあるようで
「産婦人科に来てください」
と言われることもあり、
「内科に行ってください」
と言われることもあるようです。
事前に産婦人科に電話して、どうすればよいか聞いたほうが良さそうです。
内科を受診するときは、妊娠何週目なのかをお医者さんに伝え、いずれの病院にいくときもマスクを着用して感染を予防しましょう。
もちろん、妊娠中以外の人も該当するような投薬に注意が必要な基礎疾患を持っている場合はお医者さんと十分に相談してくださいね。
まとめ
妊娠中はインフルエンザを悪化させないこと、授乳中は赤ちゃんにうつさないようにすることが大事だということが分かりました。
赤ちゃんも、お母さんが元気になってくれることを待ち望んでいるはず!
ゆっくり体を休めて、治してくださいね。
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