淋(さび)し見舞いと言う言葉を知っている人は、愛知県の西部や、岐阜県の一部以外の地域では非常に少ないのではないでしょうか。
淋し見舞いとは、愛知県の西部や岐阜県の一部の地域でお通夜に行われている風習のことです。
お通夜のお供えにお菓子などを持っていくことはどの地域でも行っている風習で、お供え物は故人に持っていくものです。
しかし、淋し見舞いで持っていくお菓子などのお供え物は、遺族に対して持っていくものです。
遺族が過ごすお通夜は長時間になります。
そのとき、遺族が淋しくないようにとの配慮や、遺族が手間をかけるのをなくすために参列者がお菓子やお線香を持っていくものです。
これから、淋し見舞いに持っていくお菓子にのしは必要なのか、持っていく饅頭の種類は決まっているのかなどについて紹介します。
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淋し見舞いのお菓子にのしはつけた方がいいの?
淋し見舞いに持っていくお菓子や線香には、のしをつけて、そののしに「お淋し見舞い」「お淋見舞」、「御淋見舞い」、「御淋見舞」、など、のしの表に書くのが地方の慣習のようですから、のしはつけた方がいいですね。
これらの表書きはどれを書いても正解のようです。
しかし、表書きに迷った場合は、葬儀社か地域の年配の方に聞くことをおススメします。
淋し見舞いののしの種類は、一般的に使用している弔事用ののしを使って下さい。
のしの下の段には、持って行った方の氏名を書いて下さい。
地方には、同じ姓の方が沢山いる場合がありますので、姓名を書いて下さいね。
文字を書く場合は、薄墨を使用することが基本です。
薄墨で書くのが基本の理由については、昔は筆でのしに文字を書いていて、スズリで墨をすっていることが普通でした。
急な訃報に際して、墨をすっていると故人に対する悲しみから、「涙がスズリに落ちて墨が薄くなった」ことや「急な知らせに、墨をしっかりとすっている時間もないまま、不祝儀袋に書いて慌てて駆けつけた」ので、不祝儀袋には薄墨で書かれていた等から、通夜と葬儀の不祝儀には薄墨で書くものとされています。
また、のしの水引は地方によって、通夜・葬儀の時と四十九日からと前では色が違う場合がありますが、通夜と葬儀は全国的に黒と白色の水引を使いますので、黒白を使用して問題ありません。
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淋し見舞いに持って行く饅頭の種類は決まっているの?
饅頭を持っていくとすると白い饅頭が主流のようです。
白い饅頭として使用されるのが、上用饅頭です。
上用饅頭とは、じょよういもに上用粉を混ぜて作った饅頭です。
上用粉は米の粉の中でもとくに細かい粉で上質の粉を言います。
上用饅頭の中身は「つぶあん」ではなく「こしあん」を使います。
なぜかといいますと、「つぶあん」はめでたいときに使用するからです。
このことから、淋し見舞いに持っていく饅頭の種類で「つぶあん」が入ったものを持っていくことはタブーですから、注意して下さい。
但し、饅頭の色は白と決まっているわけではありませんので、「こしあん」であれば饅頭の色には気を使う必要はありません。
淋し見舞いのお供え物は、遺族が故人を偲んでお互い慰め合って、通夜の長い時間にいただいたり、お通夜に来て下さる方のお茶請けにしたりするものですから、その場ですぐに開けてしまうものです。
そして、残ればいる人に配ります。
お饅頭ですと、いる人で分けて持ち帰るときに便利ですよね。
ただ、饅頭ばかりですと甘いものが嫌いな方には苦痛ですから、小分けの小さい袋に入っているお菓子などもおススメですね。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
淋し見舞いに持っていくお菓子にのしは必要なのか、持って行く饅頭の種類は決まっているのについて紹介しました。
淋し見舞いについては、現代においては 簡略化や、もうやっていない地域もあるようです。
迷った場合は、その地域の葬儀社や参列者の方にお聞きき下さい。
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